住宅ローン完済!抵当権抹消を自分で行うときの全手順

抵当権抹消を自分で行うときの全手順

住宅ローンをついに完済!長かったな~
長年払い続けてきた住宅ローンを返済し終えるというのはとても嬉しいことです。
“これで一安心”とほっとされている方も多いのではないでしょうか。
しかし、やっておかなければならない手続が一つ残っています。
それが抵当権抹消登記です。

住宅ローンを完済しても、登記上の抵当権は自動的になくなったり銀行が抹消してくれたりするわけではありません。不動産の所有者が手続を行わなくてはならないのです。
抵当権抹消登記を怠ることによって後々面倒なことに…という事例も多くありますので、なるべく早く抹消手続を行うことを強くお勧めします。
抵当抹消登記はしないとダメ?抵当権抹消登記を行わないことによる4つのデメリット

一般的には司法書士に手続を依頼することが多いですが、ご自身で抵当権抹消登記申請を行うことも可能です。
今回は自分で抵当権抹消登記申請をやってみたいという方に向けて、手続の流れをご説明いたします。

抵当権抹消登記を自分で行うときの全手順

抵当権抹消登記申請までの流れ

手順1 銀行から書類を受け取る

住宅ローンの完済手続を行うと、銀行から抵当権抹消登記に必要な書類が交付されます。
交付される書類は以下のとおりです。

  1. 抵当権解除証書(銀行によって名称は異なりますがローンを完済したことを証する書面です)
  2. 委任状(銀行からの委任状)
  3. 登記識別情報(抵当権設定時に法務局から発行された証明書です)
    ※平成20年頃までに設定されている抵当権については発行されていない場合もあります
  4. 抵当権設定契約証書(抵当権設定時の契約書です)

抵当権解除証書と委任状は、日付や委任先など空欄となっている項目があるので、登記申請までに正しい情報を記入しましょう。

手順2 不動産調査

現在の不動産の権利関係を調べるために登記簿謄本を取得しましょう。
登記簿謄本の取得方法については下記の記事をご覧ください。
登記簿謄本の取得方法司法書士が解説|不動産の登記簿謄本を取得する方法

手順3 必要書類の収集

登記簿謄本を調べた結果、登記上の所有者の住所と現在の住所が異なる場合は、抵当権抹消登記の前提として住所変更登記を行わなければならないため、住民票などの書類を取得する必要があります。
住所変更登記は必要?抵当権を抹消したい!住所がかわっているときはどうすれば良い?

手順4 登録免許税の計算・管轄法務局を調べる

登記申請時にかかる税金(登録免許税)を計算しましょう。
登録免許税の計算方法は「不動産の数 × 1,000円」です。
抵当権抹消登記申請を行う不動産が、土地1筆と建物1個の計2つの不動産ということであれば登録免許税は2,000となります。

あわせて、申請先となる法務局(管轄法務局)についても調べておきましょう。
不動産登記の申請は、不動産の所在地を管轄する法務局に行う必要があります。

おとはさん

沖縄県那覇市の不動産であれば那覇地方法務局、京都府京都市伏見区の不動産であれば京都地方法務局伏見出張所というように所在地に応じて管轄法務局が定められています。
(⇒管轄については法務局のHPにて「管轄のご案内」をご確認ください)

手順5 登記申請書の作成

法務局のホームページから申請書の様式をダウンロードします。記載例に沿って記入を進めましょう。

手順6 登記申請

準備が整ったらいよいよ登記申請です。法務局へ持参もしくは郵送の方法で申請を行います。登記完了後に書類の受領で再度法務局に出向かなければならないので、登記完了予定日を確認しておきましょう。

MEMO
法務局では登記手続案内窓口(事前予約制)が開設されており、申請書の記入方法についての案内等を受けることができます。ただし、内容に踏み込んだアドバイスや書類のチェック等を受けることはできませんのでご注意ください。

手順7 (補正対応)・登記完了・受け取り

申請書類に不備があった場合は、登記申請書に記載した電話番号に法務局から「補正」を求める連絡が入ります。法務局の指示に従って補正を行いましょう。
補正の連絡がないまま登記完了予定日を過ぎれば、ほとんどの場合登記は無事に完了しています。
返却書類や登記完了証を受け取りに法務局へ行きましょう。(郵送にて返却してもらうことも可能です)

手続が複雑になるケースも

上記で説明した流れよりも手続が複雑になる場合があります。
以下のようなケースに該当する方は、司法書士への依頼を検討されることをお勧めいたします。

銀行から交付された書類を紛失している

抵当権抹消登記を長期間行わず放置した結果、銀行から交付された書類を紛失してしまったという方が多くいらっしゃいます。
紛失した書類によっては銀行に再発行を依頼することで解決する場合もありますが、再発行できない書類を紛失している場合は別途の手続が必要となります。詳しくは下記関連記事をご確認ください。

銀行が合併している

住宅ローン完済前に借入先の銀行が吸収合併されている場合などは、抵当権抹消登記の前提として抵当権移転登記を行わなくてはなりません。このようなケースは司法書士に依頼されることをお勧めいたします。

抵当権移転登記にかかる費用については銀行が負担してくれますので、司法書士に依頼をしたとしてもご自身で負担するのは抵当権抹消登記にかかる費用のみとなります。

おとはさん

所有者が亡くなっている

所有者が既に亡くなっている不動産の抵当権を抹消する場合は、債務の完済時期と所有者の死亡時期の前後によって登記手続の流れがかわります。

所有者の死亡後に債務を完済したケース

所有者が亡くなってから住宅ローンを完済したというようなケースでは、抵当権抹消登記の前に相続登記を行わなければなりません。

住宅ローンの債務者が団信(団体信用生命保険)に加入していたという場合は、保険金によって住宅ローンが完済されるのでこのケースに当てはまります。
参考 住宅ローンが消える?相続があったときの『団信』手続を完全解説相続登記郵送センター 相続登記をご自身で行うというのは、抵当権抹消登記とは比べ物にならない時間と労力を要します。相続登記と抵当権抹消登記をあわせて司法書士へ依頼することをご検討ください。

所有者の死亡前に債務を完済しているケース

こちらは、住宅ローン完済後に抵当権抹消登記を行わないまま所有者が亡くなってしまったというケースです。
このようなケースでは不動産の名義が亡くなった方のまま抵当権抹消登記を申請し、その後に相続登記を行うということも可能です。
遺産分割協議がまとまらず相続登記を行えないなどの理由から、先に抵当権抹消登記だけ行いたいという場合は、相続人の一人から抵当権抹消登記申請を行うこともできます(所有者が亡くなっていることの証明、登記申請人が相続人であることの証明のために戸籍等の書類が別途必要となります)。

相続登記を問題なく行えるという場合は、相続登記と抵当権抹消登記を一緒に申請(連件申請)するというのが一般的です。

こんなときは司法書士へ

抵当権抹消登記は比較的簡単な登記手続です。
難しい登記手続でないからこそ、司法書士に依頼したとしても費用もあまり高くありません。(ベーシックな抵当権抹消登記であれば司法書士への報酬は1万円~1万5000円ほどです)

  • 平日の日中は仕事で時間が取れない
  • 手続が複雑になるケースに該当している
  • 専門家にすべて任せて安心したい

という方は、ぜひ司法書士へご相談ください。

おとは司法書士事務所ではオンラインシステムでの登記申請を採用し、全国各地から抵当権抹消登記のご依頼をインターネット申込にて受け付けております。
仕事が忙しく時間が取れない方や、近くに司法書士事務所が無いという方のサポートをさせていただきたいので、事務所にご来所いただくことなくメール・電話・郵送にて手続を進めることが可能です。

まずは、下記の「かんたんお見積フォーム」からお気軽にお問い合わせください。

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